相続放棄ができないケース
1 相続放棄は家庭裁判所が認めない限りできない 2 相続放棄の書類に不備がある場合 3 相続放棄の期限を過ぎた場合 4 相続財産の一部又は全部を処分してしまった場合 5 相続財産の隠匿・私的な消費・財産目録への不掲載の場合 6 諦める前に弁護士にご相談を
1 相続放棄は家庭裁判所が認めない限りできない
相続放棄の申述は、家庭裁判所に対して行い、家庭裁判所が判断します。
そのため、相続放棄の申述内容を家庭裁判所が認めない場合には、相続放棄をすることができなくなります。
家庭裁判所が相続放棄の申述を認めない事由として、以下のようなものが挙げられます。
2 相続放棄の書類に不備がある場合
相続放棄の申述では、申述書、被相続人の住民票の除票又は戸籍の附票、相続放棄をする方と被相続人の関係を示すすべての戸籍謄本が必要となります。
これらの書類に不備がある場合は、家庭裁判所では相続放棄の申述を認めてくれません。
相続放棄の申述に必要となる書類についての詳細は、こちらの記事をご覧ください。
3 相続放棄の期限を過ぎた場合
相続放棄は、「相続開始を知ったとき」から「3か月以内」にしなければならないと定められています。
この期間は「熟慮期間」と呼ばれます。
熟慮期間内に相続放棄の手続きを行わなかった場合は、相続する意思があるとされ、原則として相続放棄の手続きをすることはできなくなります。
4 相続財産の一部又は全部を処分してしまった場合
民法では、「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」は相続放棄をすることができなくなる事由として定められています。
「処分」とは、「亡くなった方の遺品を捨てた」といったことだけでなく、「相続財産である預貯金を使った」「相続財産である自動車を売却した」などの行為も含まれますので、注意が必要です。
5 相続財産の隠匿・私的な消費・財産目録への不掲載の場合
相続財産の全部又は一部を隠したり、私的に消費したり、悪意を持って相続財産目録へ掲載しないなどの行為を行った場合は、相続放棄が認められなくなります。
6 諦める前に弁護士にご相談を
これらの事由に該当する場合でも、相続放棄を得意とする弁護士がご事情をよく確認すれば、家庭裁判所への申述が認められる場合も少なくありません。
また、家庭裁判所から却下された場合でも、即時抗告という手続きを行うことで、相続放棄が認められることもあります。
「相続放棄できないかもしれない」と諦めず、なるべく早めに弁護士に相談することが大切です。
お役立ち情報
(目次)
- 相続放棄をした場合の固定資産税の支払い
- 相続放棄と光熱費
- 相続放棄で代襲相続は発生するか
- 相続放棄はいつまで行えるか
- 相続放棄と亡くなった方の家の片づけ
- 相続放棄をした場合、他の相続人への通知は必要か
- 相続放棄申述書の書き方
- 相続放棄における相続の順位
- 相続放棄と裁判所からの呼び出しの有無
- 相続放棄が認められないケース
- 相続放棄をしたかどうかについて確認する方法
- 相続放棄をすべき人
- 相続放棄の期限の始期
- 相続放棄の期限が迫っている場合について
- 相続人が複数いる場合の相続放棄の注意点
- 相続放棄と債権者対応
- 相続放棄とお葬式費用
- 相続放棄の期限の延長
- 相続放棄と生命保険
- 相続放棄の申述に必要となる書類
- 相続放棄の期限
- 相続放棄の理由
- 相続放棄を弁護士に依頼すべきパターン
- 相続放棄をしても遺族は年金を受け取ることができるか
- 相続放棄ができないケース
- 亡くなる前から相続放棄はできるのか
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