相続放棄の申述に必要となる書類

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2024年10月24日

1 相続放棄の申述書

 まず、相続放棄では「申述書」を作成しなければなりません。

 申述書には、申述人の氏名や住所、本籍、被相続人との関係等を記載することになります。

 未成年の場合は、親権者の欄を記載する必要もあります。

 ※参考リンク:相続の放棄の申述書(成人)/裁判所

 

 相続放棄申述書の書き方については、こちらの記事をご覧ください。

2 申立て添付書類―共通で必要となる書類

 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票が必要となります。

 これは、被相続人が亡くなっていることや亡くなっている日付を証明する書類になります。

 また、相続放棄をする方の戸籍謄本が必要となります。

3 申立て添付書類―人によって異なる書類

⑴ 人によって書類が異なる理由

 相続放棄をする際には、相続放棄をする方が被相続人の「法定相続人」であることを示す書類が必要となります。

 これは、民法によって、相続放棄をすることができる人は「相続人」であると定められているからです(民法915条1項)。

 そして、「法定相続人」であることを示す書類は、相続放棄をする方と被相続人の関係によって異なります。

 

⑵ 相続放棄をする方が被相続人の配偶者の場合

 この場合は、被相続人の死亡の記載のある戸籍に配偶者であることが記載されていますので、被相続人の除籍や改製原戸籍謄本が必要となります。

 

⑶ 相続放棄をする方が被相続人の子である場合

 被相続人の除籍や改製原戸籍謄本が必要となります。

 

⑷ 相続放棄をする方が被相続人の孫の場合

 被相続人の除籍または改製原戸籍に加え、被相続人の子が死亡していることの記載のある戸籍が必要となります。

 そのため、被相続人の子の除籍または改製原戸籍が必要です。

 

⑸ 相続放棄をする方が被相続人の父母である場合

 被相続人が生まれてから亡くなるまでの間の全ての戸籍謄本に加えて、被相続人の子が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本が必要となります。

 これは、民法では、法定相続の順番について第一を子、第二を父母等の直系尊属と定めているため、被相続人の子が死亡していることを示す書類が必要となるからです。

 

⑹ 相続放棄をする方が被相続人の兄弟姉妹の場合

 被相続人が生まれてから亡くなるまでの間の全ての戸籍謄本、被相続人の子が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本、被相続人の父母等の直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本が必要となります。

 これは、⑸の父母の場合と同様の考えで、法定相続の順番について、民法では被相続人の兄弟姉妹を第三順位と定めているため、第一・第二順位の者がすでに死亡していることを示す書類が必要となるからです。

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