相続放棄はいつまで行えるか
1 相続放棄の期間
相続放棄は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」にしなければなりません。
この相続放棄をするか否かを検討するための期間を、「熟慮期間」といいます。
2 「相続の開始があったことを知った時」とは
「相続の開始があったことを知った時」とは、①被相続人(亡くなった方)が亡くなったこと、及び②自分が相続人となったことを知った時を意味します。
例えば、被相続人である親が4月1日に亡くなったが、その子は10月1日に親の死亡を初めて知った、という場合には、10月1日から3か月以内に相続放棄をしなければなりません。
被相続人である兄が4月1日に亡くなったが、その配偶者と子供全員が6月1日に相続放棄をした場合、両親がすでに亡くなっていれば、その弟は6月1日に相続人となります。
したがって、弟は①兄が亡くなったこと、②兄の配偶者及び子供全員が相続放棄をしたことを知った時から、3か月以内に相続放棄をしなければなりません。
3 熟慮期間の例外
熟慮期間の例外として、被相続人には相続財産が全くないと信じていて、かつそのように信じたことに相当な理由がある場合には、相続財産の全部又は一部の存在を認識したときから3か月以内に申述すれば、相続放棄の申述が受理されることもあります。
この相続財産には、被相続人のマイナスの財産も含まれますので、例えば、被相続人には借金はないと思っていたため相続放棄をしていなかったが、亡くなってから3か月以上経った後に債権者から請求書が届いて初めて借金があることを知ったというような場合には、借金があることを知った時(請求書が届いたとき)から3か月以内であれば、相続放棄が認められる可能性があるのです。
4 相続放棄のご相談は弁護士法人心まで
相続放棄の期限について解説してきました。
被相続人が生前に借金をしていた場合、被相続人の債権者からその支払いを求められることがあります。
そして、「自分は何も相続財産を受け取っていないから関係ない」と思って相続放棄の手続きをしないまま熟慮期間が経過してしまうと、被相続人の借金の支払義務だけ負わされてしまう危険性があります。
そのようなリスクを回避するためには、相続放棄の手続きをしておくことが有効です。
相続放棄に関するご相談は、弁護士法人心までお問い合わせください。
お役立ち情報
(目次)
- 相続放棄をした場合の固定資産税の支払い
- 相続放棄と光熱費
- 相続放棄で代襲相続は発生するか
- 相続放棄はいつまで行えるか
- 相続放棄と亡くなった方の家の片づけ
- 相続放棄をした場合、他の相続人への通知は必要か
- 相続放棄申述書の書き方
- 相続放棄における相続の順位
- 相続放棄と裁判所からの呼び出しの有無
- 相続放棄が認められないケース
- 相続放棄をしたかどうかについて確認する方法
- 相続放棄をすべき人
- 相続放棄の期限の始期
- 相続放棄の期限が迫っている場合について
- 相続人が複数いる場合の相続放棄の注意点
- 相続放棄と債権者対応
- 相続放棄とお葬式費用
- 相続放棄の期限の延長
- 相続放棄と生命保険
- 相続放棄の申述に必要となる書類
- 相続放棄の期限
- 相続放棄の理由
- 相続放棄を弁護士に依頼すべきパターン
- 相続放棄をしても遺族は年金を受け取ることができるか
- 相続放棄ができないケース
- 亡くなる前から相続放棄はできるのか
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